楽を打つ

修正鬼会][吉弘楽

 「楽」とは太鼓を打つこと、それにより「楽」は「打つ」と言います

ツグリ(吉弘楽の演目をこのように呼ぶ)

神納(シンノウ)

心身を清め東方におわす、薬師如来に、楽打ちをお告げする(最後に礼拝する)

ガタガタ

天台の薬師法にのっとり楽庭に(修法道場である)、魔物が進入しないように結界を造る

ツクテンツク

結界が出来たので、意気天を突く威容を表す

道楽(ミチガク)

本尊薬師如来の前を右に回り、道場に入り定位置に着く(入道着座して修法壇を造る)

四方固(シホウガタメ)

増長天(南)持国天(東)多聞天(北)廣目天(西)の四天王と眷属を招来し、四方を清める

テンゴ−ゲ−

天におわす諸仏を道場にお迎えする、迎請聖衆(ぎょうしょうしょうしゅう)、太鼓の左バチは天を指さす

念仏(ネンブツ)

南無阿弥陀仏の名号を天台聲明風の曲節を付けて大聲で唱える

テンゴ−ゲ−

天よりお迎えした諸仏を、天に奉送申し上げる、奉送聖衆(ほうそうしょうしゅう)

シドロ

一番シドロ、二番シドロ、三番シドロがあり吉弘楽の神髄とされる(楽の打ち方のことか?)

チ−ゴ−ゲ−

地におわす諸仏を道場にお迎えする、迎請聖衆(ぎょうしょうしょうしゅう)、太鼓、鉦打ちが、上体を前に乗り出して右バチ、撞木を地を這うように下げて、足で地面を蹴る所作をする

テンダラマンダラ

比叡山延暦寺の日吉神社に祀られる、山王マンダラ、マタラ神曼陀羅の名号を唱える

チ−ゴ−ゲ−

地よりお迎えした諸仏を、地に奉送申し上げる、奉送聖衆(ほうそうしょうしゅう)

ツクマン

○、満で総ての修法、祈祷を満たしつくしたことである

ト−テン

四方固で招来した四天王と眷属をが天に、お帰りになられる(登天)

激しく打つ、天を指し、地を叩き、神仏のご加護あらんことを願い

本頭が激しく打つ。

勇壮に激しく、楽を打つ、その動きに腰蓑は跳ねあがり、旗差し物の先端に付いている、御幣は千切れ翔ぶ

今でこそ、豊作を願っての行事とされているが、その生い立ちからして、出陣の際の武運長久、戦勝祈願、家門繁栄であったことは間違いないだろう

吉弘楽は六郷山の天台密教の影響が色濃く反映されている「本頭」「中頭」「末頭」は、六郷山の本山、中山、末山を暗示させる

 

 

左のバチで天を指し示し

天空よりの、みほとけを、この場に招来するために左のバチを掲げる「捧げバチ」と言う

足下に見える白いものは、旗指し物の先端に付いていた御幣です、激しい動きに千切れ落ちたもの

厳冬に行われる「修正鬼会」との共通点も見受けられる、例えば「四方固」は南、東、北、西に四天王を招来し、神聖な場所の四方を護るものだが、「修正鬼会」でも行われている、厳冬と厳夏それぞれに、重要な宗教的行事が行われるのも、何か因縁めいたものを感じる

 

 

体を倒し地を蹴って

大地の仏を念じて、旗指し物が地に着くまで体を倒す

吉弘楽のツグリが(演目)、天台宗の「七仏薬師法(しちぶつやくしほう)」の次第によく似ていると指摘する方もある、「七仏薬師法」とは、七仏薬師経(しちぶつやくしきょう)や薬師経(やくしきょう)、薬師儀軌(やくしぎき)を読んで、国家安穏・息災・安全などを祈るものである

 

 

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音頭達が(3組の頭)呼吸を合わせて楽を打つ

本頭、中頭、末頭の音頭が気持ちを1つにして、吉弘楽を打つ、五穀豊穣、平和を願って

さて紙面も尽きようとしているが、吉弘楽の道楽(ミチガク)の、着座位置が、曼陀羅(密教の世界観を示す図)を、表しているとの説もある、確かに金剛界曼陀羅の図に類似している

 このことから見ても、吉弘楽が単なる、田楽等に端を発する芸能では無いことは明らかであり、天台密教修法の一つを表しているのではないかと思う

私は取材をしていくうちに、その奥深さに身の引き締まる思いがした。数百年の時を越えて、平和を祈り、自分自身の精神を高めていく、そんな祖先の人たちの意志が、吉弘楽の中にはあった

 

修正鬼会][吉弘楽

 

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